yoruno_3’s diary

好きな食べ物は肉です

中学生の時から好きだったサカナクションを初めて観に行った話

私はサカナクションをこれまで一度も生でライブを見たことがなかった。

 

中学生の時まで趣味という趣味があまりなかった私はニコニコ動画でボカロを聴いたりアニメの主題歌を歌詞の意味すら考えずに、リズムだけで聴いていた。そんな私が初めて心になんとも言えないものがグサッと刺さった時を今でも鮮明に思い出す。
それは中学3年生にあがる3月の春。その時関東より若干遅れネットで深夜にやっていたmusicるTVを私はボーッと何も考えずに見ていた。その時に、初めてサカナクションアイデンティティを聴いた。どうしてと思い切り叫んでいる男性がドアップで映っているMVがとても印象的だった。それだけだった。サビしか放送されなかったがそれだけで私はサカナクションに惹かれてしまい当時愛用していたiPad miniを起動してYouTubeを開いてさっき聴いた曲の題名とアーティスト名を忘れないように、頭で唱えながらキーボードを走らせていた。その行動が後に私の人生を変えることを知らずに

 

案の定どっぷりサカナクションの音楽に浸っていた。別に気にしなかった歌詞の内容だって『もしかしてこういう事を歌っているのか?』と自分なりに考察したり考察している人のサイトを見たりしていた。
当時、スペースシャワーTVでやっていたサカナクションのMV特集を見ていた時母に「何このバンド…こんなのが好きなの?好きになる要素がわからない」「(バッハ…のMVに出てくる)人形が気持ち悪い」などとクソミソに批判されたが、そんなのは気にせず"サカナクションの良さがわからないなんてもったいない"と思いながら、当時少なかったお小遣いを握りしめて全アルバムを買える額になるまで待てないと近くのレンタルショップで全アルバムを借りてiTunesに入れてもらってiPad miniでイヤホンをして寝る前や眠る時に聴いていた。親にねだって初めてライブDVDというものを買ってもらった。友達がそんなに居なくて暗かった私がサカナクションをきっかけに友達が増えた。今思えばこの時から徐々に性格が明るくなったような気がした。でも私はサカナクションのライブに行こうとは思わなかった。ただ音源を聴いているだけで、イヤホンで歌ってくれるだけでよかった。そしてそのまま中学3年生を終えて高校生になった。

その間はサカナクションだけを聴いていたわけではなく、サカナクションのMVを見ている時に見つけたロックバンドを聴くようになり他にも色んなバンドがいる事を知って、知らないうちにマイナーなバンドやインディーズのバンドにのめり込むようになっていた。ライブにも足を運ぶようになった。
それでも、様々なバンドにハマって一定の時間を過ごして一周するといつも何故か無意識にサカナクションを聴いていた。それでもライブに行こうとは思わなかった。ライブをテレビの液晶越しから見ているだけで満足だった。

 

時は流れて大学1年の時、基本聴く曲はすっかり多種多様な音楽を歌うバンドばかりだった。ライブに行くのにも慣れて都会に上京して今は夢に向かいつつライブで溜まったストレスなどを発散する生活をする最中、母からLINEが来た。
「最近サカナクションにハマっている。」
と。その文を見た時わたしはすごくすごくテンションが上がって携帯の画面を見てニコニコしながら返信した。あんなに私にサカナクションの良さがわからないと言っていた母と、サカナクションの話が出来るなんて思いもしなかった。後から母から聞いたのだが、どうやら東京モード学園のCMで夜の踊り子をチラッと聴いた時に良さに気付き始めていたようだった。先にその時に言えよと思った。

 

それからまた1年後、サカナクションが今年ライブハウスツアーを開催すると発表したちょうどそんな時に母からサカナクションのライブに行かないか?と誘われた。まだチケットも取っていなかったが喜んで行こう!と元気よく快諾した。
これを機に私はファンクラブに入り、その時に知ったのだがどうやらサカナクションは抽選の際に優先度なるものがあり、1〜6あるうちの一人は会員・同行者は一般という優先度が5番目の低めな位置にいた。当選しろ…!と願いを込めて応募した。
結果は落選。後にあった二次先行もプレイガイド抽選も全て外れた。
母と二人でショックを受けつつも「まあサカナクション人気だもんね」と半ば諦めムードでその時は終わった。
落選したその後ホールツアーも開催されると聞いた母も、FC会員になりこれで同行者も会員という優先度が一番高い位置まで来た。
結果は当選。8つのうち(私と母の公演希望を足して)1つだけ当選した。とても嬉しかった。その時友達とマックで昼食をとっていたが店内なのに声にもならない悲鳴に似たものが口からこぼれてほかの客に注目された。今となってはとても恥ずかしくて思い出したくもないけれど、その時は御構い無しに友達に母に電話すると断りを入れてその場で母に電話を掛けたのはLINEで伝えるのではなくどうしても直接言いたかったから。当選という結果を聞いた母も一緒に喜んでいて2月の神奈川公演を心待ちにしていた。

 

そんな時だった。その間も私たちは今回のライブハウスツアーを諦めきれずに公式トレードという非常に良心的な方法で応募していた。
公式トレードとは何か分からない人に簡単に説明すると、「外せない用事などで行けなくなってしまった当選者たちがそれぞれの公演のチケットを定価で出品し、翌日の12時に一斉に抽選が始まり、惜しくも一次先行などで落選してしまった人たちの手元にチケットが行くという"公式が行なっている"チケットを手に入れる最後の手順」だ。
それに私は当選していたのだった。ホールツアーに当選した翌々日の出来事だった。また母に電話をして、結果を聞いた翌々日よりさらに喜んだ。当選したチケットは1週間後に来たる今日、7/9のZepp Tokyo公演だった。
突然当選したので心の準備が出来なかった。自分の将来のこと以外特に何も興味を示してなかった中学3年生の私に音楽という趣味を与えたあのバンドのライブに行けるのだから、一週間やそこらで心の準備なんてできるわけがなかった。

そして結局準備は整わないまま今日7/9を迎えた。


率直な感想を言うと想像していたよりも凄く楽しくて、今まで見てきたライブの中で一番はしゃいで一番楽しんだライブだった。ライブDVDで満足していた当時の私にDVDで満足するなと言ってやりたい。後ろで聴いていた母とはこれまでも興味の合う別バンドのライブに足を運んでいたが、今日見た母がこれまでよりもずっと楽しそうにしていた。メンバーが出てきた瞬間二人で号泣した。

そして今回のライブハウスツアーのセットリストの中にはサカナクションを知るきっかけになったアイデンティティが入っていた。その瞬間私は中学3年生の時サカナクションを初めて聴いた時のことを、サカナクションに魅入られたあの瞬間を思い出してしまった。何だか分からないけれど泣けてきて手を振り涙を流しながら、アイデンティティがない ラララと煽り部分を歌っていた。
これまでイヤホンでしか聴かなかったアイデンティティを生演奏で聴いた後、この気持ちを忘れたくないという思いと私のこの自己満足な日記がサカナクションのメンバーに届かなくても好きだと言う気持ちを形にする前に伝えられなくなってしまわない、サカナクションが活動している今のうちに日記という形で残そうと決めた。
ボーカルギターである山口一郎さんもMCで言っていたけれど大勢の観客が一斉に大声を張り上げて「アイデンティティがない ラララ」と歌っている光景を今ふと第三者目線で考えたら笑えてきてしまった。
次はホールツアー、今度は心の準備を整えて臨もうと思う。もしかしたら今回とはまた違った感情を抱きながら見ることになるかもしれない。

 

最後に、私にサカナクションというバンドを教えてくれたTVと私に音楽という趣味を与えてくれたサカナクションにこの場を借りて心より感謝します。ありがとう、これからも大好きです

 

2018/07/09

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※この時だけ一郎さんから撮影してもいいよ!と言われて撮った時の写真です。