yoruno_3’s diary

好きな食べ物は肉です

彼らとその方の話

2018年12月6日 私がずっと推していたバンドが来年の3月末をもって活動休止になることを発表した。心がぼっかり空いたみたいに涙が止まらなかった。

思えば今年の10月30日、大歌の改新と呼ばれる彼らの自主企画の対バンライブ最終日から何か、"彼ら"を見る機会がなくなるかもと心の中をふと過ぎった。横にいたフォロワーさんに「新曲とかツアーとか何か発表しないかな」などと色々話した。その時はライブ前ということもあってあまりその話を深くは考えてなかった。ライブが始まれば彼らが呼んだ対バン相手と彼らの音楽に合わせてノッたりしてその不安も忘れることができた。

その日に次の1月から始まるライブツアーが発表された。純粋に嬉しかったし良かったって思ったし、まだ彼らは大丈夫ってそう思ってしまった。心の余裕ができてしまったのがいけなかったんだと思う。

ほかの色んなバンドの曲を聴いて上辺だけハマってきて、そのバンドが解散したりメンバー脱退して。正直心の底ではまあ、そんなに推してなかったし。って思ってたりしたから心の傷が浅かった。

 

でも今回は違う。私がずっと推してきて、初めてCDを自分のお金をかき集めて買ったり、友達に勧めたりして一人で今まで行ってた時に初めて友達と一緒にライブに行ったり、自分で初めて自分のお金でチケットを買ったり、初めて一人遠征したり、初めてサイン会に行ってCDにサインしてもらったり、初めて書いてもらったそのサインを眺めて嬉しくなったり、そんな初めてをたくさんくれたバンドだった。ああ、こんなに楽しいことがあるんだって歌を、ライブを、サイン会の中でのメンバーとの交流を通じて教えてくれたバンドだった。でも、私が楽しいと思ってる裏では彼らはどこかで自分の方向性だったりに苦しんでたんじゃないかって考えたらとても胸が苦しくなった。

あまりの衝撃発表だったのかトレンド入りしたらしい(TLでトレンド入りしてる事を知っただけで自分の目では確認してない)

何で今?って思った。どうしてこんな日にトレンド入りするんだって思った。活動休止を報告したツイートには最近では見た事ないくらいの反応が目視できた。リプ欄には「悲しいです」「大好きだったのに」という愛溢れた悲しみのリプばかり。

最近まで4桁なんてRT数がなかったのに。それを見て私はまた泣いてしまった

普段からリプでそう言ってれば、普段から新譜を買っていれば、彼らは少しでも勇気付けられたのに。そういう怒りも感じてしまった。

けれど、それはツイートするたびいいねを押すだけの作業をして、ライブに行って終わったらはいさようならで、リプもなんも送ってなくて、挙句にはツアーが発表されたから今回は見送っても大丈夫だと思っていた、思いやがった私も同じでただただ責任転嫁の怒りをぶつけていただけだった。

それは私が今まで上辺だけで好きになったバンドを本気で愛してたファンもこうやって同じ気持ちを抱えていた人も居たんだろうと思った。

 

という前置きを話したところで変わって2018年8月某日。私は彼らを推している時にとある映画を見つけた。

その映画は有名人などが絶賛しているいわゆる"バズっている"映画だった。どんなものだろうと興味本位で予告編を見たらまあ困った。とある人物にビビッときた。なんだろうこの人ってすごく気になった。予告編を見ただけでって皆に言われまくったけど確かにビビッときた。でも内容が私の不得意な映画で中々観に行きたくても観に行けなかった。(後から思い出したけれど名前検索しまくっててよくネタバレ踏まなかったな、と思いました。)

同年9月1日、もう耐えきれずについにその映画を観に行った。すっごく面白かった。こんなに面白いと思った映画が初めてだった。と同時に"その方"にどハマりした。エンドロールに流れる全員の演者の名前を見てすぐフォローした。特にその方は頻繁にフォローを返してくれる方で1日ほど経ってからフォローが返ってきた。面白かったとツイートをしたら初めて演者さんからリプを貰った。すごい嬉しかったし見返しては喜びを繰り返してた。30日に初めてファンレターというものを送った。10月2日に初めてツーショットなんかを撮ったりした。すごい嬉しかった。彼らにはない初めてをたくさんもらった。それからはその方が出演するというイベントに行ったり何回も映画を観たりしてどハマりするにはそう時間がかからなかった。

そんな中で最初に書いた12月6日を迎えてしまったのだった。辛くて悲しくてふと思い出すたび泣きそうになっていた。でも私はこれからどうしようとは思わなかった、彼らが今活動休止したら何もハマるものなんてないと言っていた2年前の自分はもう居なかった。

恐怖していたそれが感じられないのは確実に、今ハマっているその方が居ることがすごく大きい存在だと思う。

今でも私が彼らだけを見てひたすらに追いかけていたら、心がぼっかり空くなんてものじゃあ気が済まなかったと思う。下手したら死んでしまってたかもしれない。そのくらい彼らも同じように大きな存在だったから、12月6日のXデーまで彼らに何も伝えてなかったくせに。

 

私は今年の夏が差し掛かる頃くらいにずっと心の中で「当たり前に会える今が続くと思わないように、少しでも私なりに出来る限り応援しよう」と思ってちまちまお店回りなどに行けるのであれば行くようにしたりリプを送ったりすることがあった。でもそれは少しの期間だけで、またウザがられたら困るし目立ちたくないという気持ちが勝って辞めてしまった。

これまで"その方"にイベントでお会いしたりお話ししたりサインを貰ったりする中で一つ思ったことがある。初めてをたくさん貰っている今、必死に追いかけてイベントに行っている今、それは彼らを追いかけていた当初に凄く似ていた。

これは直感だけど、私はこの人をずっと応援していかなきゃと。また会えるだなんて思ってはいけないと。これが最後だという心持ちでイベントに行く事。そして最大限、本人に届くうちに応援し続けようと。その方のお陰で今の私が壊れずに居るんだと。

 

彼らがラストを飾るベストアルバムの発売日が偶然なのか私が成人を迎える誕生日の1月23日。彼らがラストワンマンツアーを経て活動を終えるのは3月31日。長いようで短い約3ヶ月半。私が本人に見える形で応援しようと考えたところで手遅れだったのかもしれない。それでも私はこの文章を書き終えた後、心の底から、彼らの新たな第一歩を歩み出すまで素直に送り届けようと思う。そして、これ以上後悔するような事がないように、本人に届くうちにリプでも何でも必ず見える形で応援し続けようと。そう決意した今、引っ込み思案で目立つのがあまり得意ではなかった私は少しでも変われてたら。それは、この活動休止の発表は私にとっても辛い悲しみを乗り越えた上での新たな第一歩を踏み出してるんだったらとても嬉しい事だと思う。

 

2018/12/13